酒饅頭
酒饅頭を頂いた。妻がまだ少女だった頃、好んで食べていたものだ。あんの中にお酒が入っていて、甘さが控え目。それを薄い皮でコーティングしたものだ。私にしたら普通の饅頭にしか見えない。それを嬉しそうに、ほおばる。そして郷里の大家族で育った思い出を語り出す。当時母親や祖父母が酒万を買ってくるのはいつも大量だったという。山盛りに買ってきてもすぐに無くなってしまうほどの人気ぶり。食べるのも競争で、毎日が楽しかったという。こんな小さな饅頭にも思い出がいっぱい詰まっているんだと思う。妻の胃袋は満足したようだ。それよりも心が満たされたという。子供の頃に好んで食べていたことを覚えていてくれたことが、嬉しいかったんだという。心づくしの品々ありがとうございました。